※神村大輔弁護士の報酬体系については、本人にお問合せください。

第一章 総則

第一条(目的)

この規程は、当事務所に所属する弁護士(以下、単に「弁護士」という。)の報酬に関する標準を示すことを目的とする。

第二条(趣旨)

弁護士がその職務に関して受ける弁護士報酬及び実費等の標準は、この規程の定めるところによる。

第三条(弁護士報酬の種類)

弁護士報酬は、法律相談料、書面による鑑定料、着手金、報酬金、手数料、弁護士顧問料及び日当とする。
2 前項の用語の意義は、次表のとおりとする。

法律相談料 依頼者に対して行う法律相談(口頭による鑑定、電話による相談を含む。)の対価をいう。
書面による鑑定料 依頼者に対して行う書面による法律上の判断又は意見の表明の対価をいう。
着手金 事件又は法律事務(以下「事件等」という。)の性質上、委任事務処理の結果に成功不成功があるものについて、その結果のいかんにかかわらず受任時に受けるべき委任事務処理の対価をいう。
報酬金 事件等の性質上、委任事務処理の結果に成功不成功があるものについて、その成功の程度に応じて受ける委任事務処理の対価をいう。
手数料 原則として一回程度の手続又は委任事務処理で終了する事件等についての委任事務処理の対価をいう。
顧問料 契約によって継続的に行う一定の法律事務の対価をいう。
日当 弁護士が、委任事務処理のために事務所所在地を離れ、移動によってその事件等のために拘束されること(委任事務処理自体による拘束を除く。)の対価をいう。
第四条(弁護士報酬の支払時期)

着手金は、事件等の依頼を受けたときに、報酬金は、事件等の処理が終了したときに、その他の弁護士報酬は、この規程に特に定めのあるときはその規定に従い、特に定めのないときは、依頼者との協議により定められたときに、それぞれ支払いを受ける。ただし、依頼者との合意によりこの規程に定められた支払時期を変更した場合、当該合意が優先されるものとする。

第五条(事件等の個数等)

弁護士報酬は、一件ごとに定めるものとし、裁判上の事件は審級ごとに、裁判外の事件は当初依頼を受けた事務の範囲をもって、一件とする。ただし、第三章第一節において、同一弁護士が引き続き上訴審を受任したときの報酬金については、特に定めのない限り、最終審の報酬金のみを受ける。
2 裁判外の事件が裁判上の事件に移行したときは、別件とする。

第六条(弁護士の報酬請求権)

弁護士は、各依頼者に対し、弁護士報酬を請求することができる。
2 次の各号の一に該当することにより、受任件数の割合に比して一件あたりの執務量が軽減されるときは、弁護士は、第二章ないし第五章及び第七章の規定にかかわらず、弁護士報酬を適正妥当な範囲内で減額することができる。
一 依頼者から複数の事件等を受任し、かつその紛争の実態が共通であるとき。
二 複数の依頼者から同一の機会に同種の事件等につき依頼を受け、委任事務処理の一部が共通であるとき。
3 一件の事件等を複数の弁護士が受任したときは、次の各号の一に該当するときに限り、各弁護士は、依頼者に対し、それぞれ弁護士報酬を請求することができる。
一 各弁護士による受任が依頼者の意思に基づくとき。
二 複数の弁護士によらなければ依頼の目的を達成することが困難であり、かつその事情を依頼者が認めたとき。

第七条(弁護士の説明義務等)

弁護士は依頼者に対し、あらかじめ弁護士報酬について、十分に説明しなければならない。
2 弁護士は、事件等を受任したときは、委任契約書を作成しなければならない。
3 委任契約書には、事件等の表示、受任の範囲、弁護士報酬等の額及び支払時期その他の特約事項を記載する。
4 弁護士は、依頼者から申し出のあるときは、弁護士報酬等の額、その算出方法及び支払時期に関する事項等を記載した弁護士報酬説明書を交付しなければならない。ただし、前二項に定める委任契約書を作成した場合は、この限りでない。

第八条(弁護士報酬の減免等)

依頼者が経済的資力に乏しいとき又は特別の事情があるときは、弁護士は第4条及び第二章ないし第七章の規定にかかわらず、弁護士報酬の支払時期を変更し又はこれを減額若しくは免除することができる。
2 着手金及び報酬金を受ける事件等につき、以来の目的を達することについての見通し又は依頼者の経済的事情その他の事由により、着手金を規定どおり受けることが相当でないときは、弁護士は、第三章の規定にかかわらず、依頼者と協議のうえ、着手金を減額して、報酬金を増額することができる。ただし、着手金及び報酬金の合計額は、第17条の規定により許容される着手金と報酬金の合算額を超えてはならない。

第九条(弁護士報酬の特則による増額)

依頼を受けた事件等が、特に重大若しくは複雑なとき、審理若しくは処理が著しく長期にわたるとき又は受任後同様の事情が生じた場合において、前条第二項又は第二章ないし第四章の規定によっては弁護士報酬の適正妥当な額が算定できないときは、弁護士は、依頼者と協議のうえ、その額を適正妥当な範囲内で増額することができる。

第十条(消費税に相当する額)

この規程に定める額は、消費税法(昭和六十三年法律第百八号)に基づき弁護士の役務に対して課せられる消費税の額に相当する額を含まず、弁護士は、消費税相当額その他の税相当額又は税額を加算して依頼者に請求することができる。

第二章 法律相談料等

第十一条(法律相談料)

法律相談料は、次表のとおりとする。

法律相談料 30分ごとに5,000円以上25,000円以下
第十二条(書面による鑑定料)

書面による鑑定料は、次のとおりとする。

書面による鑑定料 20万円以上30万円以下

2 前項において、事案が特に複雑又は特殊な事情があるときは、弁護士は依頼者と協議のうえ、前項に定める額を超える書面による鑑定料を受けることができる。

第三章 着手金及び報酬金

第一節 民事事件

第十三条(民事事件の着手金及び報酬金の算定基準)

本節の着手金及び報酬については、この規程に特に定めのない限り、着手金は事件等の対象の経済的利益の額を、報酬金は委任事務処理により確保した経済的利益の額をそれぞれ基準として算定する。

第十四条(経済的利益-算定可能な場合)

一 金銭債権は、債権総額(利息及び遅延損害金を含む。)
二 将来の債権は、債権総額から中間利息を控除した額
三 継続的給付債権は、債権総額の10分の7の額。ただし、期間不定のものは、7年分の額
四 賃料増減額請求事件は、増減額分の7年分の額
五 所有権は、対象たる物の時価相当額
六 占有権、地上権、永小作権、賃借権及び使用借権は、対象たる物の時価の2分の1の額。ただし、その権利の時価が対象たる物の2分の1の額を超えるときは、その権利の時価相当額
七 建物についての所有権に関する事件は、建物の時価相当額に、その敷地の時価の3分の1の額を加算した額。建物についての占有権、賃借権及び使用借権に関する事件は、前号の額に、その敷地の時価の3分の1の額を加算した額
八 地役権は、承役地の時価の2分の1の額
九 担保権は、被担保債権額。ただし、担保物の時価が債権額に達しないときは、担保物の時価相当額
十 不動産についての所有権、地上権、永小作権、地役権、賃借権及び担保権等の登記手続請求事件は、第五号、第六号、第八号及び前号に準じた額
十一 詐害行為取消請求事件は、取消請求債権額。ただし、取消される法律行為の目的の価額が債権額に達しないときは、法律行為の目的の価額
十二 共有物分割請求事件は、対象となる持分の時価の3分の1の額。ただし、分割の対象となる財産の範囲又は持分に争いのある部分については、争いの対象となる財産又は持分の額
十三 遺産分割請求事件は、対象となる相続分の時価相当額。ただし、分割の対象となる財産の範囲及び相続分について争いのない部分については、その相続分の時価相当額の3分の1の額
十四 遺留分減殺請求事件は、対象となる遺留分の時価相当額
十五 金銭債権についての民事執行事件は、請求債権額。ただし、執行対象物件の時価が債権額に達しないときは、第一号の規定にかかわらず、執行対象物件の時価相当額(担保権設定、仮差押等の負担があるときは、その負担を考慮した時価相当額)

第十五条(経済的利益算定の特則)

前条で算定された経済的利益の額が、紛争の実態に比して明らかに大きいときは、弁護士は、経済的利益の額を、紛争の実態に相応するまで、減額しなければならない。

第十六条(経済的利益-算定不能な場合)

第十四条により経済的利益の額を算定することができないときは、その額を800万円とする。
2 弁護士は、依頼者と協議のうえ、前項の額を、事件等の難易、軽重、手数の繁簡及び依頼者の受ける利益等を考慮して、適正妥当な範囲内で増減額することができる。

第十七条(民事事件の着手金及び報酬金)

訴訟事件、非訟事件、家事審判事件、行政審判等事件及び仲裁事件(次条に定める仲裁センター事件を除く。)の着手金及び報酬金は、この規程に特に定めのない限り、経済的利益の額を基準として、それぞれ次表のとおり算定する。

経済的利益の額 着手金 報酬金
300万円以下の場合 8% 16%
300万円を超え3,000万円以下の場合 5%+9万円 10%+18万円
3,000万円を超え3億円以下の場合 3%+69万円 6%+138万円
3億円を超える場合 2%+369万円 4%+738万円

2 前項の着手金及び報酬金は、事件の内容により、30%の範囲内で増減額することができる。
3 民事事件につき同一弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、前二項にかかわらず、着手金を適正妥当な範囲内で減額することができる。
4 前三項の着手金は、10万円を最低額とする。ただし、経済的利益の額が125万円未満の事件の着手金は、事情により10万円未満に減額することができる。

第十八条(調停事件及び示談交渉事件)

調停事件、示談交渉(裁判外の和解交渉をいう。以下同じ。)事件及び弁護士会が主宰する「仲裁センター」等の紛争解決機関への申立事件(以下「仲裁センター事件」という。)の着手金及び報酬金は、この規程に特に定めのない限り、それぞれ前条第一項及び第二項又は第二十一条第一項及び第二項の各規定を準用する。ただし、それぞれの規定により算定された額の3分の2に減額することができる。
2 示談交渉事件から引き続き調停事件又は仲裁センター事件を受任するときの着手金は、この規程に特に定めのない限り、前条第一項及び第二項又は第二十一条第一項及び第二項の各規定により算定された額の2分の1とする。
3 示談交渉事件、調停事件又は仲裁センター事件から引き続き訴訟その他の事件を受任するときの着手金は、この規程に特に定めのない限り、前条第一項及び第二項又は第二十一条第一項及び第二項の各規定により算定された額の2分の1とする。
4 前三項の着手金は、10万円(第二十一条の規定を準用するときは、5万円)を最低額とする。ただし、経済的利益の額が125万円未満の事件の着手金は、事情により10万円(第二十一条の規定を準用するときは5万円)未満に減額することができる。

第十九条(契約締結交渉)

示談交渉事件を除く契約締結交渉の着手金及び報酬金は、経済的利益の額を基準として、次表のとおり算定する。

経済的利益の額 着手金 報酬金
300万円以下の場合 2% 4%
300万円を超え3,000万円以下の場合 1%+3万円 2%+6万円
3,000万円を超え3億円以下の場合 0.5%+18万円 1%+36万円
3億円を超える場合 0.3%+78万円 0.6%+156万円

2 前項の着手金及び報酬金は、事案の内容により、30%の範囲内で増減額することができる。
3 前二項の着手金は、10万円を最低額とする。
4 契約締結に至り報酬金を受けたときは、契約書その他の文書を作成した場合でも、その手数料を請求することができない。

第二十条(督促手続事件)

督促手続事件の着手金は、経済的利益の額を基準として、次表のとおり算定する。

経済的利益の額 着手金
300万円以下の場合 2%
300万円を超え3,000万円以下の場合 1%
3,000万円を超え3億円以下の場合 0.5%
3億円を超える場合 0.3%

2 前項の着手金は、事件の内容により、30%の範囲内で増減額することができる。
3 前二項の着手金は、5万円を最低額とする。
4 督促手続事件が訴訟に移行したときの着手金は、第十七条又は次条の規定により算定された額と前三項の規定により算定された額との差額とする。
5 督促手続事件の報酬金は、第十七条又は次条の規定により算定された額の2分の1とする。ただし、依頼者が金銭等の具体的な回収をしたときでなければ、これを請求することができない。
6 前項ただし書に規定する金銭等の具体的な回収をするため、民事執行事件を受任するときは、弁護士は、前各項の着手金又は報酬金とは別に、民事執行事件の着手金として第十七条の規定により算定された額の3分の1を、報酬金として同条の規定により算定された額の4分の1を、それぞれ受けることができる。

第二十一条(手形、小切手訴訟事件)

手形、小切手訴訟事件の着手金及び報酬金は、経済的利益の額を基準として、次表のとおり算定する。

経済的利益の額 着手金 報酬金
300万円以下の場合 4% 8%
300万円を超え3,000万円以下の場合 2.5%+4万5000円 5%+9万円
3,000万円を超え3億円以下の場合 1.5%+34万5000円 3%+69万円
3億円を超える場合 1%+184万5000円 2%+369万円

2 前項の着手金及び報酬金は、事件の内容により、30%の範囲内で増減額することができる。
3 前二項の着手金は、5万円を最低額とする。
4 手形、小切手訴訟事件が通常訴訟に移行したときの着手金は、第十七条の規定により算定された額と前三項の規定により算定された額との差額とし、その報酬金は、第十七条の規定を準用する。

第二十二条(離婚事件)

離婚事件の着手金及び報酬金は、次表のとおりとする。ただし、同一弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、着手金を適正妥当な範囲内で減額することができる。

離婚事件の内容 着手金及び報酬金
離婚調停事件、離婚仲裁センター事件又は離婚交渉事件 30万円以上50万円以下
離婚訴訟事件 40万円以上60万円以下

2 離婚交渉事件から引き続き離婚調停事件又は離婚仲裁センター事件を受任するときの着手金は、前項の規定による離婚調停事件の着手金の額の2分の1とする。
3 離婚調停事件から引き続き離婚訴訟事件を受任するときの着手金は、第一項の規定による離婚訴訟事件の着手金の額の2分の1とする。
4 前三項において、財産分与、慰謝料など財産給付を伴うときは、弁護士は、財産給付の実質的な経済的利益の額を基準として、第十七条又は第十八条の規定により算定された着手金及び報酬金の額以下の適正妥当な額を加算して請求することができる。
5 前各項の規定にかかわらず、弁護士は、依頼者と協議のうえ、離婚事件の着手金及び報酬金の額を、依頼者の経済的資力、事案の複雑さ及び事件処理に要する手数の繁簡等を考慮し、適正妥当な範囲内で増減額することができる。

第二十三条(境界に関する事件)

境界確定訴訟、境界確定を含む所有権に関する訴訟その他境界に関する訴訟の着手金及び報酬金は、次のとおりとする。ただし、同一弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、着手金を適正妥当な範囲内で減額することができる。

着手金及び報酬金 40万円以上60万円以下

2 前項の着手金及び報酬金は、第十七条の規定により算定された着手金及び報酬金の額が前項の額を上回るときは、同条の規定による。
3 境界に関する調停事件、仲裁センター事件及び示談交渉事件の着手金及び報酬金は、事件の内容により、第一項の規定による額又は前項の規定により算定された額の、それぞれ3分の2に減額することができる。
4 境界に関する示談交渉事件から引き続き調停事件又は仲裁センター事件を受任するときの着手金は、第一項の規定による額又は第二項の規定により算定された額のそれぞれ2分の1とする。
5 境界に関する調停事件、仲裁センター事件又は示談交渉事件から引き続き訴訟事件を受任するときの着手金は、第一項の規定による額又は第二項の規定により算定された額の、それぞれ2分の1とする。
6 前各項の規定にかかわらず、弁護士は、依頼者と協議のうえ、境界に関する事件の着手金及び報酬金の額を、依頼者の経済的資力、事案の複雑さ及び事件処理に要する手数の繁簡等を考慮し、適正妥当な範囲内で増減額することができる。

第二十四条(借地非訟事件)

借地非訟事件の着手金は、借地権の額を基準として、次表のとおりとする。ただし、同一弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、着手金を適正妥当な範囲内で減額することができる。

借地権の額 着手金
5,000万円以下の場合 30万円以上50万円以下
5,000万円を超える場合 前段の額に5,000万円を超える部分の0.5%を加算した額

2 借地非訟事件の報酬金は、次のとおりとする。ただし、弁護士は、依頼者と協議のうえ、報酬金の額を、事案の複雑さ及び事件処理に要する手数の繁簡等を考慮し、適正妥当な範囲内で増減額することができる。
一 申立人については、申立てが認められたときは借地権の額の2分の1を、相手方の介入権が認められたときは財産上の給付額の2分の1を、それぞれ経済的利益の額として、第十七条の規定により算定された額
二 相手方については、その申立てが却下されたとき又は介入権が認められたときは、借地権の額の2分の1を、賃料の増額又は財産上の給付が認められたときは、賃料増額分の7年分又は財産上の給付額をそれぞれ経済的利益として、第十七条の規定により算定された額
3 借地非訟に関する調停事件、仲裁センター事件及び示談交渉事件の着手金及び報酬金は、事件の内容により、第一項の規定による額又は前項の規定により算定された額の、それぞれ3分の2に減額することができる。
4 借地非訟に関する示談交渉事件から引き続き調停事件又は仲裁センター事件を受任するときの着手金は、第一項の規定による額の2分の1とする。
5 借地非訟に関する調停事件、仲裁センター事件又は示談交渉事件から引き続き借地非訟事件を受任するときの着手金は、第一項の規定による額の2分の1とする。

第二十五条(保全命令申立事件等)

仮差押及び仮処分の各命令申立事件(以下「保全命令申立事件」という。)の着手金は、第十七条の規定により算定された額の2分の1とする。ただし、審尋又は口頭弁論を経たときは、同条の規定により算定された額の3分の2とする。
2 前項の事件が重大又は複雑であるときは、第十七条の規定により算定された額の4分の1の報酬金を受けることができる。ただし、審尋又は口頭弁論を経たときは、同条の規定により算定された額の3分の1の報酬金を受けることができる。
3 第一項の手続のみにより本案の目的を達したときは、前項の規定にかかわらず、第十七条の規定に準じて報酬金を受けることができる。
4 保全執行事件は、その執行が重大又は複雑なときに限り、保全命令申立事件とは別に着手金及び報酬金を受けることができるものとし、その額については、次条第一項及び第二項の規定を準用する。
5 第一項の着手金及び第二項の報酬金並びに前項の着手金及び報酬金は、本案事件と併せて受任したときでも、本案事件の着手金及び報酬金とは別に受けることができる。
6 保全命令申立事件及び保全執行事件の着手金は、10万円を最低額とする。

第二十六条(民事執行事件等)

民事執行事件の着手金は、第十七条の規定により算定された額の2分の1とする。
2 民事執行事件の報酬金は、第十七条の規定により算定された額の4分の1とする。
3 民事執行事件の着手金及び報酬金は、本案事件に引き続き受任したときでも、本案事件の着手金及び報酬金とは別に受けることができる。ただし、着手金は第十七条の規定により算定された額の3分の1とする。
4 執行停止事件の着手金は、 第十七条の規定により算定された額の2分の1とする。ただし、本案事件に引き続き受任するときは、同条の規定により算定された額の3分の1とする。
5 前項の事件が重大又は複雑なときは、第十七条の規定により算定された額の4分の1の報酬金を受けることができる。
6 民事執行事件及び執行停止事件の着手金は、5万円を最低額とする。

第二十七条(倒産整理事件)

破産、会社整理、特別清算及び会社更生の各事件の着手金は、資本金、資産及び負債の額、関係人の数等事件の規模並びに事件処理に要する執務量に応じて定め、それぞれ次の額とする。ただし、右各事件に関する保全事件の弁護士報酬は、右着手金に含まれる。
一 事業者の自己破産事件     50万円以上
二 非事業者の自己破産事件    20万円以上
三 自己破産以外の破産事件    50万円以上
四 事業者の和議事件       100万円以上
五 非事業者の和議事件      30万円以上
六 会社整理事件         100万円以上
七 特別清算事件         100万円以上
八 会社更生事件         200万円以上
2 前項の各事件の報酬金は、第十七条の規定を準用する。この場合の経済的利益の額は、配当額、配当資産、免除債権額、延払いによる利益及び企業継続による利益等を考慮して算定する。ただし、前項第一号及び第二号の事件は、依頼者が免責決定を受けたときに限り、報酬金を受けることができる。
3 自己破産申立事件を受けないで免責申立事件(免責異義申立事件を含む。)のみを受任した場合の着手金については、第一項第二号の規定により算定された額の2分の1とする。この場合の報酬金については、前項の規定を準用する。

第二十七条の二(民事再生事件)

民事再生事件の着手金は、資本金、資産及び負債の額、関係人の数等事件の規模並びに事件処理に要する執務量に応じて定め、それぞれ次の額とする。ただし、民事再生事件に関する保全事件の弁護士報酬は、右着手金に含まれる。
一 事業者の民事再生事件             100万円以上
二 非事業者の民事再生事件            30万円以上
三 小規模個人再生事件及び給与所得者等再生事件  20万円以上
2 依頼者が再生手続開始決定を受けた後民事再生手続が終了するまでの執務の対価として、依頼者との協議により、執務量及び既に受けている着手金又は報酬金の額を考慮した上で、月額で定める弁護士報酬を受けることができる。
3 民事再生事件の報酬金は、第十七条の規定を準用する。この場合の経済的利益の額は、弁済額、免除債権額、延払いによる利益、及び企業継続による利益等を考慮して算定し、報酬金の具体的な算定にあたっては既に受領している前項の月額で定める弁護士報酬の額を考慮する。ただし、報酬金は、依頼者が再生計画認可決定を受けたときに限り、これを受けることができる。
4 民事再生法第二百三十五条に基づく免責申立事件(免責異義申立事件を含む。)の着手金は、第一項第二号及び第三号の規定により算定された額の2分の1とする。この場合の報酬金は、前項の規定を準用する。

第二十八条(任意整理事件)

第二十七条第一項に該当しない債務整理事件(以下「任意整理事件」という。)の着手金は、資本金、資産及び負債の額並びに関係人の数等事件の規模に応じて定め、それぞれ次の額とする。
一 事業者の任意整理事件      50万円以上
二 非事業者の任意整理事件     20万円以上
2 前項の事件が清算により終了したときの報酬金は、債務の弁済に供すべき金員又は代物弁済に供すべき資産の価額(以下「配当源資額」という。)を基準として、次の各号の表のとおり算定する。
一 弁護士が債権取立、 資産売却等により集めた配当源資額につき

500万円以下の場合 15%
500万円を超え1,000万円以下の場合 10%+25万円
1,000万円を超え5,000万円以下の場合 8%+45万円
5,000万円を超え1億円以下の場合 6%+145万円
1億円を超える場合 5%+245万円

二 依頼者及び依頼者に準ずる者から任意提供を受けた配当源資額につき

5,000万円以下の場合 3%
5,000万円を超え1億円以下の場合 2%+50万円
1億円を超える場合 1%+150万円

3 第一項の事件が、債務の減免、履行期限の猶予又は企業継続等により終了したときの報酬金は、前条第二項の規定を準用する。
4 第一項の事件の処理について、裁判上の手続を要したときは、前二項に定めるほか、本節の規定により算定された報酬金を受けることができる。

第二十九条(行政上の不服申立事件)

行政上の異議申立、審査請求、再審査請求その他の不服申立事件の着手金は、第十七条の規定により算定された額の3分の2とし、報酬金は、同条の規定により算定された額の2分の1とする。ただし、審尋又は口頭審理等を経たときは、同条の規定を準用する。
2 前項の着手金は、10万円を最低額とする。

第二節 刑事事件

第三十条(刑事事件の着手金)

刑事事件の着手金は、次表のとおりとする。

刑事事件の内容 着手金
起訴前及び起訴後(第一審及び上訴審をいう。以下同じ。)の事案簡明な事件 30万円以上50万円以下
起訴前及び起訴後の前段以外の事件及び再審事件 50万円以上
再審請求事件 50万円以上

2 前項の事案簡明な事件とは、特段の事件の複雑さ、困難さ又は繫雑さが予想されず、委任事務処理に特段の労力又は時間を要しないと見込まれる事件であって、起訴前については事実関係に争いがない情状事件、起訴後については公判終結までの公判開廷数が二ないし三開廷程度と見込まれる情状事件(上告事件を除く。)上告審については事実関係に争いがない情状事件をいう。

第三十一条(刑事事件の報酬金)

刑事事件の報酬金は、次表のとおりとする。

刑事事件の内容 結果 報酬金
事案簡明な事件 起訴前 不起訴 30万円以上50万円以下
求略式命令 前段の額を超えない額
起訴後 刑の執行猶予 30万円以上50万円以下
求刑された刑が減額された場合 前段の額を超えない額
前段以外の刑事事件 起訴前 不起訴 50万円以上
求略式命令 50万円以上
起訴後(再審事件を含む。) 無罪 60万円以上
刑の執行猶予 50万円以上
求刑された刑が減額された場合 軽減の程度による相当な額
検察官上訴が棄却された場合 50万円以上
再審請求事件 50万円以上

2 前項の事案簡明な事件とは、前条の事案簡明な事件と見込まれ、かつ結果において予想された委任事務処理量で結論を得た事件をいう。

第三十二条(刑事事件につき同一弁護士が引き続き受任した場合等)

起訴前に受任した事件が起訴(略式命令を除く。)され、引き続いて同一弁護士が起訴後の事件を受任するときは、第三十条に定める着手金を受け取ることができる。ただし、事案簡明な事件については、起訴前の事件の着手金の2分の1とする。
2 刑事事件につき同一弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、前二条の規定にかかわらず、着手金及び報酬金を適正妥当な範囲内で減額することができる。
3 弁護士は、追加して受任ずることが同種であることにより、追加事件の割合に比して一件あたりの執務量が軽減されるときは、追加受任する事件につき、着手金及び報酬金を適正妥当な範囲内で減額することができる。

第三十三条(検察官の上訴取下げ等)

検察官の上訴取下げ又は免訴、控訴棄却、刑の免除、破棄差戻若しくは破棄移送の言渡しがあったときの報酬金は、それまでに弁護人が費やした時間及び執務量を考慮したうえ、第三十一条の規定を準用する。

第三十四条(保釈等)

保釈、勾留の執行停止、抗告、即時抗告、準抗告、特別抗告、勾留理由開示等の申立事件の着手金及び報酬金は、依頼者との協議により、被疑事件又は被告事件の着手金及び報酬金とは別に、相当な額を受け取ることができる。

第三十五条(告訴、告発等)

告訴、告発、検察審査の申立、仮釈放、仮出獄、恩赦等の手続の着手金は、一件につき10万円以上とし、報酬金は、依頼者との協議により受けることができる。

第三節 少年事件

第三十六条(少年事件の着手金及び報酬金)

少年事件(少年を被疑者とする捜査中の事件を含む。以下同じ。)の着手金は、次表のとおりとする。

少年事件の内容 着手金
家庭裁判所送致前及び送致後 30万円以上50万円以下
抗告、再抗告及び保護処分の取消 30万円以上50万円以下

2 少年事件の報酬金は、次表のとおりとする。

少年事件の結果 報酬金
非行事実なしに基づく審判不開始又は不処分 30万円以上
その他 30万円以上50万円以下

3 弁護士は、着手金及び報酬金の算定につき、家庭裁判所送致前の受任か否か、非行事実の争いの有無、少年の環境調整に要する手数の繁簡、身柄付の観護措置の有無、試験観察の有無等を考慮するものとし、依頼者と協議のうえ、事件の重大性等により、前二項の額を適正妥当な範囲内で増減額することができる。

第三十七条(少年事件につき同一弁護士が引き続き受任した場合)

家庭裁判所送致前に受任した少年事件は、第五条の規定にかかわらず、家庭裁判所に送致されても一件の事件とみなす。
2 少年事件につき、同一弁護士が引き続き抗告審等を受任するときは、前条の規定にかかわらず、抗告審等の着手金及び報酬金を、適正妥当な範囲内で減額することができる。
3 弁護士は、追加して受任する事件が同種であることにより、追加件数の割合に比して一件あたりの執務量が軽減されるときは、追加受任する事件につき、着手金及び報酬金を適正妥当な範囲内で減額することができる。
4 少年事件が刑事処分相当として家庭裁判所から検察官に送致されたときの刑事事件の弁護士報酬は、本章第二節の規定による。ただし、同一弁護士が引き続き刑事事件を受任するときの着手金は、その送致前の執務量を考慮して、受領済みの少年事件の着手金の範囲内で減額することができる。

第四章 手数料

第三十八条(手数料)

手数料は、この規程に特に定めのない限り、事件等の対象の経済的利益の額を基準として、次の各号の表のとおり算定する。なお、経済的利益の額の算定については、第十四条ないし第十六条の規定を準用する。
一 裁判上の手数料

項目 分類 手数料
証拠保全(本案事件を併せて受任したときでも本案事件の着手金とは別に受けることができる。) 基本 20万円に第十七条第一項の着手金の規定により算定された額の10%を加算した額
特に複雑又は特殊な事情がある場合 弁護士と依頼者との協議により定める額
起訴前和解(本手数料を受けたときは、契約書その他の文書を作成しても、その手数料を別に請求することはできない。) 示談交渉を要しない場合 300万円以下の場合      10万円
300万円を超え
3,000万円以下の場合   1%+7万円
3,000万円を超え
3億円以下の場合    0.5%+22万円
3億円を超える場合   0.3%+82万円
示談交渉を要する場合 示談交渉事件として、第十八条又は第二十二条ないし第二十四条の各規定により算定された額
公示催告 起訴前和解の示談交渉を要しない場合と同額
倒産整理事件の債権届出 基本 5万円以上10万円以下
特に複雑又は特殊な事情がある場合 弁護士と依頼者との協議により定める額
簡易な家事審判(家事事件手続法別表第一事件に属する審判事件で事案簡明なもの。) 10万円以上20万円以下

二 裁判外の手数料

項目 分類 手数料
法律関係調査(事実関係調査を含む。) 基本 5万円以上20万円以下
特に複雑又は特殊な事情がある場合 弁護士と依頼者との協議により定める額
契約書類及びこれに準ずる書類の作成 定型 定型 経済的利益の額が1,000万円未満のもの 10万円
経済的利益の額が1,000万円以上1億円未満のもの 20万円
経済的利益の額が1億円以上のもの 30万円
非定型 基本 300万円以下の場合      10万円
300万円を超え
300万円以下の場合    1%+7万円
3,000万円を超え
3億円以下の場合    0.3%+28万円
3億円を超える場合   0.1%+88万円
特に複雑又は特殊な事情がある場合 弁護士と依頼者との協議により定める額
公正証書にする場合 上の手数料に3万円を加算する。
内容証明郵便作成 基本 3万円以上5万円以下
特に複雑又は特殊な事情がある場合 弁護士と依頼者との協議により定める額
遺言書作成 定型 10万円以上20万円以下
非定型 基本 300万円以下の場合      20万円
300万円を超え
3,000万円以下の場合   1%+17万円
3,000万円を超え
3億円以下の場合    0.3%+38万円
3億円を超える場合   0.1%+98万円
特に複雑又は特殊な事情がある場合 弁護士と依頼者との協議により定める額
公正証書にする場合 上の手数料に3万円を加算する。
遺言執行 基本 300万円以下の場合       30万円
300万円を超え
3,000万円以下の場合   2%+24万円
3,000万円を超え
3億円以下の場合     1%+54万円
3億円を超える場合   0.5%+204万円
特に複雑又は特殊な事情がある場合 弁護士と受遺者との協議により定める額
遺言執行に裁判手続を要する場合 遺言執行手数料とは別に、裁判手続きに要する弁護士報酬を請求することができる。
会社設立等 設立、増減資、合併、分割、組織変更、通常清算 資本額若しくは総資産額のうち高い方の額又は増減資額に応じて以下により算出された額。ただし、合併又は分割については200万円を、通常清算については100万円を、その他の手続については10万円を、それぞれ最低額とする。
1,000万円以下の場合       4%
1,000万円を超え
2,000万円以下の場合   3%+10万円
2,000万円を超え
1億円以下の場合     2%+30万円
1億円を超え
2億円以下の場合     1%+130万円
2億円を超え
20億円以下の場合   0.5%+230万円
20億円を超える場合  0.3%+630万円
会社設立等以外の登記等 申請手続 一件5万円。ただし、事案によっては、弁護士と依頼者との協議により、適正妥当な範囲内で増減額することができる。
交付手続 登記簿謄抄本、戸籍謄抄本、住民票等の交付手続は、一通につき1,000円とする。
株主総会等指導 基本 30万円以上
総会等準備も指導する場合 50万円以上
現物出資等証明(商法第百七十三条第三項等及び有限会社法第十二条の二第三項等に基づく証明) 一件30万円。ただし、出資等にかかる不動産価格及び調査の難易、繁簡等を考慮して、弁護士と依頼者との協議により、適正妥当な範囲内で増減額することができる。
簡易な自賠責請求(自動車損害賠償責任保険に基づく被害者による簡易な損害賠償請求) 次により算定された額。ただし、損害賠償請求権の存否又はその額に争いがある場合には、弁護士は、依頼者との協議により適正妥当な範囲内で増減額することができる。
給付額が150万円以下の場合   3万円
給付額が150万円を超える場合  給付金額の2%
第三十八条の二(任意後見及び財産管理・身上監護)

任意後見又は財産管理・身上監護の弁護士報酬は、次のとおりとする。
一 任意後見契約又は財産管理・身上監護契約の締結に先立って、依頼者の事理弁識能力の有無、程度及び財産状況その他依頼者の財産管理又は身上監護にあたって把握すべき事情等を調査する場合の手数料は、第三十八条第二号の法律関係調査に関する規定を準用する。
二 任意後見契約又は財産管理・身上監護契約に基づく委任事務処理を開始したときは、月額で定める弁護士報酬を受けることができるものとし、その額は次表のとおりとする。ただし不動産の処分等日常的若しくは継続的委任事務処理に該当しない事務処理を要した場合又は委任事務処理のために裁判手続等を要した場合は、月額で定める弁護士報酬とは別に、この規程の定めにより算定された弁護士報酬を受けることができる。

事務処理の内容 弁護士報酬
依頼者が日常生活を営むのに必要な基本的な事務の処理を行う場合 月額5,000円から5万円の範囲内の額
依頼者が日常生活を営むのに必要な基本的な事務に加えて、収益不動産の管理その他の継続的な事務の処理を行う場合 月額3万円から10万円の範囲内の額

三 任意後見契約又は財産管理・身上監護契約締結後、その効力が発生するまでの間、依頼者の事理弁識能力を確認するなどのために訪問して面談する場合の手数料は、一回当たり5,000円から3万円の範囲内の額とする。

第五章 時間制

第三十九条(時間制)

弁護士は、依頼者との協議により、受任する事件等に関し、第二章ないし第四章及び第七章の規定によらないで、一時間あたりの適正妥当な委任事務処理単価にその処理に要した時間(移動に要する時間を含む。)を乗じた額を、弁護士報酬として受けることができる。
2 前項の単価は、一時間当たり1万円以上とする。
3 弁護士は、具体的な単価の算定にあたり、事案の困難性、重大性、特殊性、新規性及び弁護士の熟練度等を考慮する。
4 弁護士は、時間制により弁護士報酬を受けるときは、あらかじめ依頼者から相当額を預かることができる。

第六章 顧問料

第四十条(顧問料)

顧問料は、次表のとおりとする。ただし、事業者については、事業の規模及び内容等を考慮して、その額を減額することができる。

事業者 月額5万円以上
非事業者 年額6万円(月額5,000円)以上

2 顧問契約に基づく弁護士業務の内容は、依頼者との協議により特に定めのある場合を除き、一般的な法律相談とする。
3 簡易な法律関係調査、簡易な契約書その他の書類の作成、簡易な書面鑑定、契約立会、従業員の法律相談、株主総会の指導又は立会、講演などの業務の内容並びに交通費及び通信費などの実費の支払等につき、弁護士は、依頼者と協議のうえ、顧問契約の内容を決定する。

第七章 日当

第四十一条(日当)

日当は、次表のとおりとする。

半日(往復二時間を超え四時間まで) 3万円以上5万円以下
一日(往復四時間を超える場合) 5万円以上10万円以下

2 前項にかかわらず、弁護士は、依頼者と協議のうえ、前項の額を適正妥当な範囲内で増減額することができる。
3 弁護士は、概算により、あらかじめ依頼者から日当を預かることができる。

第八章 実費等

第四十二条(実費等の負担)

弁護士は、依頼者に対し、弁護士報酬とは別に、収入印紙代、郵便切手代、謄写料、交通通信費、宿泊料、保証金、保管金、供託金、その他委任事務処理に要する実費等の負担を求めることができる。
2 弁護士は、概算により、あらかじめ依頼者から実費等を預かることができる。

第四十三条(交通機関の利用)

弁護士は、出張のための交通機関については、最高運賃の等級を利用することができる。

第九章 委任契約の清算

第四十四条(委任契約の中途終了)

委任契約に基づく事件等の処理が、解任、辞任又は委任事務の継続不能により、中途で終了したときは、弁護士は、依頼者と協議のうえ、委任事務処理の程度に応じて、受領済みの弁護士報酬の全部若しくは一部を返還し、又は弁護士報酬の全部若しくは一部を請求する。
2 前項において、委任契約の終了につき、弁護士のみに重大な責任があるときは、弁護士は受領済みの弁護士報酬の全部を返還しなければならない。ただし、弁護士が既に委任事務の重要な部分の処理を終了しているときは、弁護士は、依頼者と協議のうえ、その全部又は一部を返還しないことができる。
3 第一項において、委任契約の終了につき、弁護士に責任がないにもかかわらず、依頼者が弁護士の同意なく委任事務を終了させたとき、依頼者が故意又は重大な過失により委任事務処理を不能にしたとき、その他依頼者に重大な責任があるときは、弁護士は、弁護士報酬の全部を請求することができる。ただし、弁護士が委任事務の重要な部分の処理を終了していないときは、その全部については請求することができない。

第四十五条(事件等処理の中止等)

依頼者が着手金、手数料又は委任事務処理に要する実費等の支払いを遅滞したときは、弁護士は、事件等に着手せず又はその処理を中止することができる。
2 前項の場合には、弁護士は、あらかじめ依頼者にその旨を通知しなければならない。

第四十六条(弁護士報酬等の相殺等)

依頼者が弁護士報酬又は立替実費等を支払わないときは、弁護士は、依頼者に対する金銭債務と相殺し又は事件等に関して保管中の書類その他のものを依頼者に引き渡さないでおくことができる。
2 前項の場合には、弁護士は、すみやかに依頼者にその旨を通知しなければならない。